専門用語を知るとそれだけでパラグライダーパイロットの仲間入りをした気分になります。
なんだかワクワクしませんか。大空はもうすぐそこです。
グライダー各部の名称と役割
- キャノピー:パラグライダーの翼です。
- リーディングエッジ:空気が上下に分かる翼の前縁です。
- ライン:キャノピーからパイロットを吊り下げるラインです。
- ライザー:ラインを前後方向に分類して束ねるベルトです。
- カラビナ:ライザーをハーネスに固定する金具です。
- ブレークコード:キャノピーの後縁につながれた操縦用のコードです。
- ハーネス:パイロットを固定する装具です。
操作の名称と役割
ブレークコードのグリップを握った両手でグライダーのコントロールをします。
右を引くと右旋回、左を引くと左旋回、両方同時に引くと減速します。
- フルグライド:万歳の姿勢です。フライト中の操作範囲の上限です。
- ニュートラル:耳の高さです。フライト中の標準姿勢です。
- ハーフブレーク:胸の高さです。フライト中の操作範囲の下限です。
- フルブレーク:尻の下まで引きます。離陸を取り止める時や、着陸直前にとる姿勢です。
何事もしっかり準備をすると良い結果が付いてくるものです。
心と体の準備をしっかりしてから体を動かしましょう。
先ずは平地でライズアップ練習をします。
準備体操
- 準備体操で各関節を十分に伸ばしておきましょう。
- 普段運動をしていない方はより念入りに準備体操すると良いです。
- 体が動きやすくなりますし、何より怪我をしにくくなります。
服装の確認
- ヘルメット:貸与されたヘルメットを確実に装着します。
- 長袖・長ズボン:夏でも長袖・長ズボンを着用します。体を怪我から守ってくれます。
- グローブ:100均等で売っている滑り止め付の軍手がお勧めです。
- 厚底シューズ:厚底でハイカットのトレッキングシューズがお勧めです。
- ハーネス:貸与されたハーネスをチェストベルトとレッグベルトで装着します。
セットアップ
キャノピー
- キャノピー全体が対称な扇形になるように敷きます。
- リーディングエッジが上を向いて開いた状態になるようにします。
- ラインがキャノピーの下に隠れないように引き出します。
- ブレークコードが迷走しないように外側の方に引き出します。
- ライザーを1本ずつ持ち上げてラインが絡んでいない事を確認します。
パイロット
- キャノピーの前方中央に立ってハーネスのカラビナにライザーを接続します。
- ヘルメット、ハーネスのベルト、左右カラビナ、グローブの最終確認をします。
- ライザー全てを腕の上から外側に垂らします。
- ブレークコードのグリップを腕の下を通して握ります。
- Aライザーの先端を腕の上を通して握ります。
- ライザーを掴んだ手は脇を絞めてW字形になるようにします。
- 中央寄りのラインが軽く張るよう前後左右に移動して微調整します。
インフレーション
- 風向が向かい風になっていることを確認します。
- 上空を含めて周囲を見て安全確認ができたらインフレーションを開始します。
- インストラクターの指示に従ってW字形の姿勢を保ったままで歩き始めます。
- 歩き始めると同時にキャノピーが膨らみ始め、数歩で完全に膨らみます。
- 必要なのは風との相対速度ですから歩く速度は風速に合わせて調節が必要です。
- 始めから勢い良く飛び出すとキャノピーが傾いて上手くライズアップができません。
ライズアップ
- キャノピーが膨らんだら、W字形姿勢を保ったまま前傾姿勢にして加速します。
- キャノピーが上がるのに合わせてAライザーを掴んだ両手も上げていきます。
- 両手を上げるのに従ってライザーを引く力が手から腰に移っていきます。
- 左右のバランスに注意しながら全身を使ってライザーを前方に引き続けます。
- キャノピーが頭上に上がるまで一定の力をライザーに加え続けます。
- キャノピーが頭上に上がったらAライザーを離します。
- ブレークコードのグリップを握った両手をニュートラル(耳の高さ)にします。
- ただ勢いよく走るのではなく走ることでライザーに一定の力を加え続ける様にします。
- 下を見るのでなくインストラクターを見て追いかける様に走ると良いでしょう。
- Aライザーを放すのが速いとキャノピーは後ろに落ちます。
- Aライザーを放すのが遅いとキャノピーはパイロットを追い越して潰れます。
- Aライザーを放すタイミングを体で覚えるのがこの練習の課題です。
ランニング
- 両手をニュートラル(耳の高さ)にしたらさらに加速します。
- 十分に加速すると体が持ち上げられる感覚がします。
- ぴょんぴょん飛び跳ねるように走るとキャノピーが揺れて上手くいきません。
- 横から引っ張られる感じがしたら逆らわず引かれる方向に走る向きを少し修正します。
停止
- 両手をフルブレーク(全部引く)にします。
- 徐々に減速してキャノピーを後方に落とします。
- フルブレークの後で急に止まるとキャノピーが前に落ちてしまいます。
- 風の強さによって減速のしかたの調節が必要です。
キャノピーの運び方
- 片側のライザーを持ち上げ、持ち上げた側の反対に回転してキャノピー側を向きます。
- ライザーを束ね、ラインを揃えながらまとめて持ち、キャノピーを絞ります。
- 絞ったキャノピーを肩に担いで運びます。
- キャノピーの方を向く時ラインを跨いではいけません。ラインは必ず頭の上を通します。
- 絞り方が不十分だとキャノピーを運ぶ時、地面に引きずってしまいます。
- ライン1本ずつ丁寧に絞ればしっかり絞れます。
いよいよフライト体験コースの佳境に入っていきます。
この練習でのポイントは「飛び乗り禁止」に尽きます。それさえしなければ楽しいフライトが待っています。
素晴らしい夢体験を実現してください。
セットアップからランニング
- 基本的にはライズアップ練習の通りですが傾斜があるので少し進行が速くなります。
- インストラクターの指示を良く聞いて反応するように心がけてください。
- ランニングをすると揚力を感じますが、飛べると思ってはいけません。
- 体に強い揚力を感じても、絶対に飛ぼうとしてはいけません。
- 今にも飛びそうに感じますが、決して飛んではいけません。
- 揚力が足りないのに飛び乗れば、次は落ちて斜面を転がるだけです。
- 飛ばないように加速し続ければ自然にテイクオフ(離陸)できます。
パラグライダーがテイクオフする時のエンジンは足です。
走るのを止める事はエンジンを切るのと同じです。
離陸していないのにエンジンを切ったのでは飛べるはずがありません。
フライト
- 離陸したら両手はニュートラル(耳の高さ)。
- フライト中はインストラクターの指示に従ってブレークコードを操作をします。
- 足を軽く前後に開いて着陸姿勢をとります。普段の踏み切り足を後にします。
- 足の下が50cm程になったらフルブレーク(全部引く)します。
- 片足で着地して走り抜けるようにします。
- 風の状況に応じてインストラクターが操作の指示をするので良く聞いてください。
- 片側の操作は、頭・耳・肩・胸の高さを1段ずつ変化させる様にします。
- フルブレーク(全部引く)の場合以外「右引いて」等と指示されても一気に大きく操作してはいけません。
まとめ
体験当日インストラクターが必要な事は全て講習を行いますので、
このページの内容を全く知らなくても何も問題ありません。
それでも頭の片隅に入っていれば理解が早まるものと思います。
素晴らしい体験になることを祈念しております。